「皆木か…?そんなとこで何して………」
しゃがみ込んで泣いていたわたしに気づいたのは、サッカー部の顧問。
わたしが手に持っている自分と同じ名前の楽器を目にし、声を低くさせる。
「…だれにやられたんだ」
「っ…、ごめん先生…っ、ハルト、もう使えない…っ」
「修理に出せば…大丈夫だろ」
こんな故障の仕方、見たことないよ。
今までも音の鳴り方が変だったりスライドの滑りが良くなかったりとか、そういうのはあったとしても。
「一浦先生、向こうでキャプテンが呼んで───、」
そしてまた、言葉を失ったもう1人が現れる。
どうしてこんなことになるんだと同じ会話が繰り広げられて、先生が静かに説明して。
ぜんぶを聞いた然くんは「だれの仕業だよ」と、低い低い声で言う。
「然、変なことは考えんなよ。俺が職員会議で言っておく」
「犯人が見つかったら、もちろんそいつは退学ですよね?」
「…それは職員会議で決めることだ。が、退学かは理由によるだろうな」
「っ、にいなが今どれだけ頑張ってるか…!!」
「だっ、大丈夫だから…!!……然くん、大丈夫だよ…ありがとう」



