「皆木、このあと残れるか?」
メンバーじゃないわたしに、基本時間は割かれない。
わたしはわたしで自分のスキルを上げていくしかないんだ。
けれどある日、部活が終わろうとしていた時間帯に声をかけてきた綾部先生。
「15分でいいなら、個別指導をしてやる」
「っ、はい…!よろしくお願いします!!」
どうして皆木さんだけ?とは、もうならない。
それは部員たちがわたしの努力を、気持ちを、誰よりも尊重してくれているからだ。
初心者が強豪校でここまで来た。
それはかなりすごいことだと、数日前に指導してくれた落合先輩も言っていた。
「君はなにを思って吹いてる?」
「え?」
「演奏に限らず、自分の相棒をいつもどんな気持ちで持っているんだ」
「それは……」



