というより落合先輩、髪の毛が茶色になってる…!
くるくる巻いちゃってるし、高校時代もめちゃくちゃ美人な先輩だったけど、もっと垢抜けてらっしゃる……。
そんな落合先輩の手には、楽器が入ったケース。
「じゃ、さっそく行こっか。カラオケでいいよね?」
「はいっ!よろしくお願いしゃぁぁす!!」
「いやー、相変わらずな運動部~」
個別指導が必要だった。
そしてそれは、わたしのことをよく知っている人間の。
鈴高が今年、全国大会に出場することはもちろん落合先輩も把握済みだ。
わたしが今のところメンバーに選ばれていないことも。
「にいなの良さは低音に抵抗がないところ。最初からけっこう難しい低音も吹けてたの。だから今度はブレスのタイミングを完璧にして、音の繋がりを意識して」
「はい!」
「じゃあもう1回さっきのとこから」
大学でもトロンボーンを続けている落合先輩は、高校のときよりも音に厚みが加わっていた。
わたしの熱意をしっかりと受け入れてくれた先輩は、あの頃以上に指導してくれる。



