「ここに来ると俺…、にいな先輩を帰したくなくなる。………にいな?」
「………ハッ!……意識飛んでた…」
「…ふっ。もう、ほんと困るんだって可愛すぎて」
本当に飛んでた……。
記憶はキスする前で止まっているから、早送りされて抱きしめられてる今に飛ばされた感覚だ。
「…でも先輩。その名波ってやつのこと、好きになったらダメですよ?」
「ならないよ!?こんなっ、こんな格好よくて優しすぎる彼氏持っておいてそんな馬鹿なこと……!」
「…うん。俺もインターハイ、ぜったい行くから」
「あっ、わたしぜったい観に行くね…!最前線で応援する!」
「…これからもずっと、ですか?」
「……うん。ずっとずっと」
そのあと玄関先で先生に会ったんだ。
わたしの生き生きした姿に満足だったみたいで、微笑んでうなずいてくれただけ。
わたしは心からの笑顔だけを返して、家に入った───。



