「メッセージ見てくれた…?…うん、全国大会決まったよ。いろいろ大変だったけど、……うん」
まずは彼に知らせる。
わたしから電話をかけることが増えて、とつぜん会いたくなることも多くなった。
会いたいなあ……。
『先輩、ちゃんと前見て歩かないと危ないですよ』
「…見てるよ?逆に前しか見えないっ」
『本当ですか?足元ばっか見てる気がしますけどねー』
「そんなこと───………」
「おかえり、にいな先輩」
「然くん…!」と、ここで初めて前を見た。
バス停から降りてしばらく進んだところで、向かい側からこちらへ歩いてくるジャージ姿の男の子。
スマホをお互いにピッと切って、走る。
「それで綾部先生がねっ、いやもう!ほんっとうに大変で…!」
「でもそれ、にいな先輩も結局は怒られたんじゃないですか?」
「うん。馬鹿とはなんだ!!恩師に向かってなんて口の利き方だーー!って……へへ」
「あははっ、“おまえ”って部分はセーフなんだ、ふっ、はははっ!」



