「…俺より先ににいな先輩を見つけられて、くやしい」
「……うん」
「それが一浦先生だってことが……スゲー悔しい」
「…うん」
でも、然くんが来てくれたほうが嬉しかったよ。
わたしの心配を真っ先にしてくれて、嬉しかった。
あんなに連絡をスルーしちゃったのに嫌われなくてよかったって、いまも安心してる。
「ごめん然くん…。わたし、嘘ばっかついてる。メンバーに選ばれなかったのはただの戦力外で…、3年ではわたしだけ…」
「…知ってます」
「え、」
「先輩の嘘は見抜けるって、言ったじゃないですか。俺にだけはそんな嘘……つく必要ないのに」
浮かんだ涙を拭ってくれて、あたたかく微笑まれた。
思わず抱きついて、いっぱいごめんねを繰り返す。
「こんなこと言うのもあれですけど、俺はにいな先輩の格好つかないところのほうが好きなんですよ」
「……やだ、格好つけたい」
「たぶんそれは無理だと思います」



