「っ……!!」
「…これでいいんだっけ?」
「………なん……で…」
頬っぺたに当てられた冷たさ。
バッと顔を上げると、わたしがいつも自販機で購入していたメロンソーダを持った彼がいる。
そこまで息を切を切らしている姿なんか、初めて見たよ。
「そんな下向いて、カブトムシでも探してたのか」
高台になっている小さな公園。
知る人ぞ知る穴場スポットでもあって、わたしがかつて時間を潰していた場所でもある。
「涼しいよな、ここ。ちょうど海風が当たって」
メロンソーダを受け取ることなく顔をうつむかせると、わたしが座っていたベンチの隣に座ってくる先生。
学校ではわたしがどんなに話しかけても無視してきたくせに、今になって。
「県代表、おめでとう」
「………わたし、なにもしてない。メンバーじゃないから…」
「まだ分かんねえだろ。誰かが風邪引いたり、流行病にかかるかもだし」
そんな都合いいこと、ないよ。
みんなこのコンクールに懸けているんだから意地でも座りつづけるよ、ぜったい。



