ブーッ、ブーッ、ブーッ、ブーッ。
マナーモードをオンにした罪悪感はなかった。
こんな顔を彼氏に見られるくらいならマシだと、わたしはまた嘘をつくことを選ぶ。
「………っ」
今にも崩れそうでもなんとか取り持っていた脆いタワーに、とうとう釘が打たれたんだ。
今までたくさん食らっていたからいろんなところにヒビが入っていて、あとは時間との勝負なところもあった。
自分より才能もあって、わたしが座りたかった場所を簡単に奪った後輩に言われたことがトドメ。
「お母さんも…、心配してる……」
然くんとお母さんの音だって、わかるもん。
いちばん心配かけさせたくない2人に迷惑をかけて、最悪だよわたし。
帰れないんじゃない、帰りたくない。
吹けないんじゃない、吹きたくない。
こうなった心はもう、すくえない。



