「どうかしたんですか、そんなに急いで」
「帰ってこないんです…っ」
「…え?」
「にいながっ、部活から帰ってこないの……!電話も繋がらないしっ、学校に連絡は入れたけれど切られちゃって…っ」
時刻は21時近い。
今日はいつも通り部活で、行くふりをしていたとしても20時には戻っているはずだ。
学校に入った電話───、
あの野郎……と、俺は先ほど応答することなくガチャ切りしていた教師を思い出した。
「事故に遭っていたらどうしよう…っ、黒崎くんも探してくれてるらしいけど…、ねえ先生、どうしたらいいの私……っ」
「落ち着いてください。俺が探してきますから、お母さんは家で待っていてください」
「でも…!」
「もしにいなさんが帰ってきた場合、家にお母さんが居てくれたほうが安心すると思いますから」
見つけ次第連絡すると伝え、すばやく電話番号を教えてもらった。



