遥人side
噂では聞いていた。
俺が副担任を務めるクラスにも吹奏楽部はいるため、複雑そうに話す姿はある程度見ている。
皆木 にいなが予選メンバーに選ばれなかった、と。
どうにも同じパートにものすごく吹ける天才肌の1年がいて、そいつが選ばれたらしい。
「よし、休憩!」
夏休み中のサッカー場。
このグラウンドはサッカー部専用の練習場で、隣では野球部が練習している。
そして、邪魔にならないように端を走っている文化部の女子生徒がひとり。
休憩が取られると、水分補給などそっちのけで真っ先に女子生徒のもとへ走っていった然。
「……熱中症で殺す気かよ」
運動部の部員たちは暑さに慣れているが、常に室内が練習場な文化部の生徒にさせることじゃない。
俺は吹奏楽部顧問の綾部という男のことが好きではなかった。
噂では聞いていた。
俺が副担任を務めるクラスにも吹奏楽部はいるため、複雑そうに話す姿はある程度見ている。
皆木 にいなが予選メンバーに選ばれなかった、と。
どうにも同じパートにものすごく吹ける天才肌の1年がいて、そいつが選ばれたらしい。
「よし、休憩!」
夏休み中のサッカー場。
このグラウンドはサッカー部専用の練習場で、隣では野球部が練習している。
そして、邪魔にならないように端を走っている文化部の女子生徒がひとり。
休憩が取られると、水分補給などそっちのけで真っ先に女子生徒のもとへ走っていった然。
「……熱中症で殺す気かよ」
運動部の部員たちは暑さに慣れているが、常に室内が練習場な文化部の生徒にさせることじゃない。
俺は吹奏楽部顧問の綾部という男のことが好きではなかった。



