あの放課後、先生と初恋。





たとえ気持ちのすれ違いがあったとしても、この子とぶつかり合うことは本当にないような気がする。



「ぜんくん…、そんなに見るの、だめ、」


「……………」



目は口ほどに物を言う。
とは、よく言ったものだ。

そろそろ言われるだろうなって、心臓が大爆発を起こしそうななか。



「……キス、しても…いいですか」


「っ…、えっと、ちょっと、待って…」


「………やっぱりダメ、ですよね」



やっぱり、は、やめて。
ですよね、も、だめ。

彼氏なんだからもっと自信を持っていいんだよ、然くん。


ダメっていうのは、そういう意味じゃなくて。



「されたら………たぶん然くんのこと、大好きになる…」


「っ、…なって、」


「あ…っ」



体勢を変えてまで、わたしとの初めてを求めてくれているんだ。

体重をかけない程度にやさしく覆い被さって、見下ろされる。