あの放課後、先生と初恋。





「わっ、こらっ!然くんだめ…!」



カシャカシャカシャカシャと、連写。

今度はわたしだけに向けられた音が何回も何回も響く。


この後輩め………。



「わたしも然くん撮る!変顔して変顔っ」


「んー、こうですか?」



ニッと笑ったピースサイン。

イケメンだ!!!と、思わず正直に言ってしまえば然くんは大爆笑だった。


ちょっと生意気な然くんと、すごく楽しそうな然くん。


わたしにだけ見せてくれる特別な顔だということは、とっくに知っている。



「はーっ、終わった~!」



それから楽しく賑やかながらも勉強を終えて、ぐーっと伸びをひとつ。



「よかったらベッドで休んでくれてもいいですよ、先輩」


「いいの!?ありがと~!」



ポスッと、ベッドに身体を預けてしまってから。

お互いの時間は止まったようです。