「それ、海外のとある大学サッカーチームが俺が当時入ってたクラブに指導をしに来てくれたときのなんです」
「っ!」
「プロっていうわけではないんですけど、実力が揃うチームで。…そこの選手のひとりに一浦先生がいて」
そうなんだ、と。
サラッと返して、フォトフレームも戻す。
いちばんしちゃダメなことだった。
写真なんか、他にもたくさんあったのに。
どうしてその写真をチョイスしたの、わたし。
「べ、勉強しよっか!」
「…はい」
切なそうにまぶたを伏せた然くん。
途端にぶわりとつま先から込み上げてくる、不安。
「ご、ごめん…、嫌いになった……?」
「ならないです。…ヤキモチは、妬きます……けど」
ごめんなさい───、
どうして然くんは謝らなくていいところで謝るんだろう。
「然くん」
ふわりと腕を回す。
驚いている反応が、少し固まった身体の力から伝わってきた。
初めてわたしからした行動に、逆に然くんは戸惑っているようだった。



