あの放課後、先生と初恋。





「ほ、ほんとに散らかってる……」


「はは。思った以上にナオが折り紙で遊んじゃって…」



そして無事に合宿を終え、振替休日となった今日。

初めてお邪魔した部屋を見て、そういうことじゃないんだけどな…と、微笑ましい。


色とりどりな折り紙が散らばった部屋は、つい先ほどまで5歳児が遊んでいた足跡だらけだった。



「おねーちゃ!」


「ナオくん!これ好き?ナオくんにプレゼントいっぱいあるんだ~」


「すき!!」


「え~!ごめんねにいなちゃん。なんか気ぃつかわせちゃって!」


「いえいえっ!」



事前にリサーチ済みのお菓子セットは大成功だった。

子供用のお菓子やゼリーが詰め込まれたお宝ケースを両手に抱えたナオくん、もう誰にも渡さないという心意気だ。



「おねーちゃ!あそぼ!」


「こーら、那緒。お兄ちゃんとお姉ちゃんはこれからお勉強をするから邪魔しちゃダメ」


「えーっ」



そう、今日は一緒に勉強会を開くという面目もあった。

勉強が苦手な然くんのために、英語だけは苦手なわたしが教えてあげようの会だ。