然くん、あんなにも大きな声を出せたんだ……。
なんていうか然くんはわたしと正反対だけれど誠実で優しくて、秘めた闘志を持っているタイプだと思っていたから。
─────かっこいいね、然くん。
「あーーっ!!また追いつかれた……」
「がんばれ鈴高ーーー!!もう1点取れーーー!!」
1点リードすれば、また同じように追いつかれる。
まるで互角の戦いに、吹奏楽部もチアリーディングたちも、保護者もサッカー部の後輩も、みんなが夢中になる戦いだった。
延長戦でも一向に決着がつかず、試合はPK戦にまで持ち込まれることに。
選ばれた5人のなかには、もちろん然くんがいる。
「「「おおおおおおおお!!!!」」」
スタンドが、揺れた。
それはこちらのキーパーがひとりを止め、最後の望みを託された然くんがシュートを決めた瞬間だった。
見事優勝を果たした、鈴ヶ谷高校。



