あの放課後、先生と初恋。





「攻めてる攻めてる……!!みんな楽器準備して!!」


「「「はいっ!!」」」



野球の応援と違い、サッカーは区切りがない。

野球の場合は攻めと守りがハッキリしているため応援もしやすいが、サッカーはその場のプレーで指示役に沿って楽器を吹くが主流だった。



「きゃーー!黒崎先輩かっこい~!!」


「かなり攻めてるよね…!さっきも惜しかったし!」



なんと吹部にも彼のファンがいたとは…。

やっぱりフィールドを囲うスタンドは満員に近かった。


試合前に少し会えるかなと思っていたが、ウォーミングアップをしている選手たちとはすれ違うこともできなくて。


スマートフォンも試合が終わるまで使用禁止。

早朝に交わしたメッセージが最後だった。



「入れた!?うそっ、入った……!?」


「おおおおおーーーー!!!然いいぞーーー!!!」



演奏にいっぱいいっぱいで、ろくに試合を観ることはできなかった。

周りの声が結果を知らせてくれる。


背番号10。

ピッチ上で仲間たちにわしゃわしゃとあたまを撫でられていた。