あの放課後、先生と初恋。





「…先生がわたしを気にかけてくれたのは…、ひとりだけ下手で、可哀想だったから…?母子家庭で、自分と同じだったから……?」


「───そうだよ」


「わたしは先生のこと……、ちゃんと本気でっ、」


「はっきり言って迷惑だ。やめろ」



言いたくなかったよ、そんなこと。

でも言わなくちゃダメなんだ。
俺は大人で教師だから、駄目なんだよ皆木。



「では明日のスタメンを発表する。1番GK芝田、2番DF安田、3番DF藤井───」



春季大会、俺が率いるサッカー部はとうとう決勝にまで上り詰めた。

ベンチ入り含め20人。
先発スタメンは11人だ。



「10番FW、黒崎」


「はい」



毎回と特点を挙げている黒崎 然を、やはりレギュラーから外すことはできない。

たとえそこに俺個人の私情があったところで、このチームには然が必要だ。