「わたしは先生のこと……、ちゃんと本気でっ、」
「はっきり言って迷惑だ。やめろ」
それすら言うなと、切り捨てられた。
これが教師と生徒だということを世間から指をさされた気分だ。
「正直、後悔した」
「…こう、かい…?」
「台風の日。俺は教師らしからぬ行動をした。あれは……もしおまえが誰かに言ったら、俺はぜんぶ失うだろうな」
「わたしっ、言わないよ…!誰にも……言わない…、然くんだって言わないよ」
どうして誰にも言えないの。
どうして言っちゃダメなの。
好きな人に助けてもらって、好きな人と一緒に過ごした。
恋する女の子なら、誰かに自慢するみたいに言いたいのに。
「なかったことにする。だから皆木も……頼む。あれは忘れて欲しい」
そんなことで頭を下げないでよ、先生。
ううん……、遥人くん。
そう呼ぶのだって今日までにするから。



