「あと約3ヶ月。きみ次第だ」
みんなすごいね。
名波くんだって心菜だって、同じことをしているはずなのに。
どうしてわたしはできないんだろう。
「聞いた!?サッカー部3回戦突破だって!今年も鈴高は強いらしいよ~」
「余裕でしょ!だって黒崎くんがいるんだから!」
サッカー部は春季大会のトーナメントを着々と進んでいるらしい。
わたしだけが取り残されちゃったみたいだ。
そして、あの子に言わなくちゃいけない。
わたしに両立はできそうにない。
彼の気持ちに応えてあげられることも、できない。
「にいな先輩……?」
「へへ、お疲れさま。急にごめんね。ちょうど然くんも終わる頃かなって……待ってた」
日がとっくに落ちたサッカー場の前。
サッカー部も大会中ともあって19時半を過ぎても尚、グラウンドの照明下にて部員たちは走っていた。
そんなわたしは終わってからぞろぞろとやって来るまでを待っていたのだ。
そのなかでいちばん目立つ男の子は、友達たちを先に帰らせてまでもわたしに駆け寄ってきてくれる。



