『今朝も何度かメッセージ送ったんですけど…、昨日は大丈夫でしたか?』
「う、うん!ごめんね…!なんかわたし、あれからすぐ寝ちゃって!」
嘘ついてどうするの。
最低だ、わたし。
先生が来てくれて浮かれ気分になって、今ゆっくり朝食まで一緒に食べて。
然くんのことを忘れてたわけじゃないけれど、先生が来てからは考えてもなかったよね。
今もスマホの先、彼はわたしのことだけを思ってくれているというのに。
『いま、先輩の家の下にいるんです。いつもの……自販機のところに』
「え…っ、いま来てるの…!?」
『はい。昨夜は行けなかったので、朝イチでって決めてて』
空は雨も風も上がって晴れている。
わたしがずっと気づかなかっただけで、じつは然くんはもっと早くからそこで待っていてくれたのかもしれない。



