「だって先生のこんな姿、目に保存しておかないと…!」
「なら英語でも教えるか」
「え、」
「中間テストがもうすぐだからな。皆木が苦手なとこは確か───」
「うそうそっ!寝ます!ちなみに冷蔵庫からお茶とか勝手に飲んでいいから…!カップラーメンとかもあるよっ!おやすみ先生…!」
とか言いながらも、先生先生と言ってしまうのがわたしだ。
そして答えてくれるのが遥人くん。
「先生ってサッカーいつからやってるの…?」
「小学校」
「やっぱり上手な子って、みんな小さなときからやってるんだねえ」
「…始める時期なんか関係ないと俺は思うけどな」
サッカーって難しいのかな?
わたしでもパスくらいはできるかな?
「せんせ、いつか一緒にサッカーしようね」
「…とんでもない方向に飛んでくヤツだろ」
「へへ、そうかも。すっごい広い芝生でね、先生とふたりでパスし合って愛を伝えあ───」
「おやすみ」
それから案外すぐに夢のなかへと入っていけたみたいで。



