『俺ちょっとこれから行ってくるから…!先輩、待っててくださいすぐに行きます…!』
「え…、」
“はあ!?この台風よ!?あんた馬鹿なの…!?”
“にーちゃっ、うわぁぁぁんっ”
“おい然!だったら父さんが車出すから…!”
ちょ、ちょ、落ち着きましょう皆さん。
とりあえず深呼吸から始めましょう…?
すごい可愛い泣き声が奥から聞こえて、つい顔がにやけそうだけど。
しかしそちらの家族たちは騒然としていて、とうとうお母さんと思われる方の怒鳴り声まで。
『好きな女の子がひとりで泣いてんのにっ、放っておけるわけないだろ……!!』
アワアワとしていたわたしまでもが口を閉じてしまう。
しーんと、まるで黒崎家に混ざっているかのような気持ちだ。
「あ、あの…、然くん、聞こえてる…?」
『…はい、ごめんなさい大声を上げてしまって。すぐに行きますから』
「ううん、わたしなら大丈夫!これで然くんに何かあったほうが嫌だよ。今日はおうちにいて…?」
『…でも、』
「また何かあったらメッセージするし、この台風は朝には止むってニュースでも言ってたから!危ないから外にだけは出ないで、おねがい」



