「えっ、なんと…!」
『明日には運転再開するらしいから帰れると思うけど…、ごめんねにいな。ひとりで大丈夫そう?そっちも雨風すごいんじゃない?』
「こっちも確かに荒れてるけど、わたしのことなら心配しないで!非常食いっぱい買ってあるしっ」
『でも万が一なにかあったら……そうだわ!一浦先生を頼るのよ!きっと助けてくれるだろうから』
という声の奥で、ガヤガヤざわざわと混雑している音が聞こえる。
「う、うん!そのときは助けてもらう…!お母さんもめちゃくちゃ気をつけてね、転んだりしないように…!」
たまにお母さんは休日出勤があって、そういう日は決まって大事な商談があるという。
朝早くに家を出ていって、電話がかかってきたのは夕方。
テレビを付けるとニュースは台風情報と交通情報一色だった。
そう、お母さんが仕事先で向かっていた場所も新幹線が台風の影響で運行ストップとなり、帰って来られないと連絡があった今日という土曜日。



