『おまえは間違ったことをしたのか?生徒としてじゃなく、人として』
そんな先生が、うつむいている女子高生ひとりをあんなにも特別扱いしているだなんて。
誰もに平等に接するあなたに俺は憧れていたんだ。
入部したばかりのとき、『俺は誰の味方でもない』とハッキリ言った先生が。
『なら、俺はおまえの味方でいてやる』
『そう簡単に諦めさせねえよ。そもそもおまえの辞書に“諦める”はないだろ』
『…頑張れよ』
そんなことを言っているのだ。
やさしい目で見つめている先には、あの日、球場の外で必死に金管楽器を練習していた女子生徒がいた。
『いつも先生のこと考えてたよ。写真みてね、元気もらってた』
『……おう』
『和久井先生に言われてるときも、先生が隣にいたらって想像して。……先生はわたしのこと考えてくれてた…?』
『………まあ、少しは』
『ほんと!?やったあっ』



