「結局今日もおうちまで送ってもらっちゃって…!然くんもお気をつけて帰ってねっ」
「…先輩、今日も電話していいですか」
「今日………は、ごめんっ、観たいロードショーがあって…!うち録画ディスプレイが壊れちゃったの」
「……そのあと、とかって」
「コンクール頑張ってきた先輩に奢ります」と言って、自動販売機でジュースをまた買ってくれてしまった。
肩を並べていっしょに飲んで、飲み終わった頃には甘えたように顔色を伺ってくる。
「そのあと…だと、11時とかになっちゃわない…?わたしもしかすると寝ちゃうかも…」
「そう、ですよね。ごめんなさい疲れてるのに。…ワガママ言いました」
「いやいや!そんなのワガママにも入らないよ?」
「………にいな先輩、」
手を掴んでくる。
まだ離れたくないんだろうなって、まだおしゃべりしていたいんだろうなって、なんとなく。
ピシッと、なぜか背筋を伸ばしてしまった。



