「ぶっ、部長はっ、いつもまるで海のような…っ、うっ、心の大きさでえ……っ、こんなわたしをっ、ぶっ、部員って言ってくれましてえ……!」
「…ふっ、ありがとうな皆木。おまえは楽しくてムードメーカーで、…でも苦しい思いをたくさんしてきたよな。それでも頑張る皆木が俺も好きだったよ」
「好き!?やだそれ告白……!!うぅ…っ、あうぅ……っ、ひっくっ、大学に行ってもアルトサックス響かせてモテまくってください…!!」
久しぶりに改めて顔を合わせた先輩たちは部活に追われていた焦燥感や緊迫感がほぐれて、それぞれの道を歩く準備ができていた。
ある意味で3年生との思い出が濃いのは、たぶんわたしだろう。
何もかもが初心者なわたしに教えてくれた、最初の先生だったのだから。
「おっ、おちっ、落合ぜんばい……!!」
そのなかでも、彼女だけは。
落合先輩との思い出だけは。



