「ど、どこが好き、なの……?」
「…そういうところです」
「どっ、………どういうところだ…」
わかんないよ。
今日だってわたし、なにかひとつでもいいところあった…?
「おっ、お金なんか持ってないよ…!?」
「…え?」
「うちっ、お母さんとふたりで暮らしてるの…!楽器も安いの使っててっ、だからお金とかっ、ないよ…!?」
先輩だから何か買ってもらえそう、とか。
先輩だからいろいろ持ってそう、とか。
そう思われていたとしたなら大間違いだ。
「そういう部分、なんですよ」
「わっ、」
優しすぎるちからで、手が握られた。
「ぜんぶにいな先輩だなって思う。…そのぜんぶ、好きなんだと思います俺」
ずっと偏見を持っていた。
クラスメイトのサッカー部って、わりとチャラいから。
女の子に人気だし、騒がれることに慣れてるんだろうなって。
でも、この子は………ちがう。



