「先輩、もし次の春季大会で優勝したら……」
「春季大会?あっ、春にあるやつだね!新人戦、みたいな?」
「はい。そこで俺は必ずシュートを決めます。それで1位取ったら───俺の彼女になってくれませんか」
チャリンチャリンと、小銭が落ちる。
「にいな先輩、」
思わず拾うためにしゃがんだのだけれど、いかんせん手が震えてしまって何も掴めなかった。
同じようにしゃがんだ然くん。
パシッと、手が取られる。
「………え…」
「好きです」
「……………月です?」
お月さま…、今日は出てたっけ。
「いや、好きです。にいな先輩のことを、俺が」
わざわざ分かりやすいように言ってくれたんだろうなって、先輩ながら情けなくなる。
好き………?
この子がわたしを……?
1年生の人気エースストライカーが、こんなショボくれた切り札を……?



