あの放課後、先生と初恋。





去年は観客。
先輩の演奏を聞くだけの役割だったわたし。


けれど今年は違った。

今年はわたしも主役だということに緊張して緊張してどうかなりそうだった結果、迷子。



「どうしようリハーサル始まっちゃう……!」



この演奏会のメイン奏者は中学生と高校生ではあるものの、思っていた以上の観客に溢れていた。

このあたりの強豪は我ら鈴高だけなので、毎年鈴高の演奏だけを求めて観に来てくれる、いわゆるファンもいるのだと。



「ねえキミ鈴高の子?その制服、そーだよね?」


「えっ、あっ、はい!」


「鈴高の演奏好きだから俺ちょー楽しみだよ!頑張って!」


「あっ、ありがとうございます…!」



すれ違った男の子たちに送られたエール。

野球部の試合を観に行ったときもそうだったけれど、同じ年代ほどのファンはやっぱりいるのだ。