僕と素人、どちらを信じる───?
初めて言われたよ、そんなこと。
わたしはトロンボーンに相応しいだなんて、初めて。
「座ったままでそこまでのロングトーンができる小娘は武器になる。…いずれ吹奏楽に欠かせない切り札になるぞ、皆木」
「あっ、ありがとうございました…!!これからも鍛えますっ」
「ん?今日の放課後からは普通に全体練習に来たまえ」
「えっ、でも…」
「定期演奏会。きみは練習せずステージに上がるつもりか?」
……………え。
それって、それって、さ。
「きみは初心者だと聞いた。この安価なトロンボーンでそこまでの音が出せるのなら、本物じゃないか」
厳しさの種類が正反対だった。
この人はしっかり理由を教えてくれて、練習の意味を伝えてくれる。
そして結果が、ついてくる。
新しい顧問の先生は、お髭はないほうがいいのに…と思う、かなり野心家で天才肌な変わった人です───。



