あの放課後、先生と初恋。





「ストップ」



が、止められる。



「腹式呼吸は基礎だが、よく“お腹を膨らませるイメージ”って言うだろ?」


「は、はい」


「ちがう、そうじゃない。お腹を膨らませるんだ。音もそう、イメージなんかじゃない。実際に膨らませるんだよ。…いいか、3.2.1でいくぞ」


「……はいっ」



3. 2. 1───、

カウントにタイミングを合わせて、ふうっ!!と、吸った。



「っ………!」



この時点で感覚があった。

自分の呼吸が変わった、そんな感覚が。


今までのものが嘘のように、肺を通り越してお腹に酸素がめいっぱい入ったのだ。



「鳴らせろっ!!」


「っ!」



パーーーーーッッ!!!


厚み、安定感、振動。

この楽器はわたしの心と同化しているんだって、感じる。