「にしても足りないな…。ニーナ、いっしょに購買いこ」
「えっ、お弁当あるのに?」
「うん。あたしアレの日って食欲やばいから」
この唯ちゃんのサラッと言っちゃう格好良さったらもう。
アレの日っていうのはたぶん、女の子だけが経験する月に1回だ。
そういえば中学のときも言ってたっけ…。
私は腹痛とかがないぶん、食欲が動かされる───って。
「結局ニーナも買ってんじゃん」
「えへへ。焼きそばパンの誘惑に負けちゃった」
「だよね。うちの学校のパンすごい美味しいよね」
「うんうんっ」
無事に調達して、再び教室に戻る途中の踊場だった。
「やっぱゲイじゃねーわイッチー!」
と、ひとりの男子生徒の声。
わたしの足取りはピタリと止まって、つられたように唯ちゃんも気配を隠す。
反対側から向かってくる学年不明な男子生徒たちは、どうにも彼のウワサ話をしているようで。



