あの放課後、先生と初恋。





「たしか一浦先生は彼女のクラスの副担任だったかしら。この際だからあなたからハッキリ言ってあげてくれない?無駄だって」


「…無駄?」


「初心者なのよ、あの子。うちで初心者なんてありえないわ。でも保護者の目もあるから、自主的に辞めさせることしか私にはできなくてね」


「………頑張ってますよ、皆木は」



その頑張りはどうして、できる人間たちには伝わってくれないのか。

何事も“当たり前”なんてことはないのに、なぜ誰もが自分ができることは“当たり前”だと思うのだろう。


あなたは指導者には向いていない。


結果ばかりを求めて足元にいる生徒の努力を見ることができないあんたは、向いてねえんだよ。



「一浦先生もサッカー部の顧問だから分かるでしょう?ひとりの生徒に集中すると、かえってそれはいざこざを招いてしまう。だからバランスが大切ってことくらい」


「…なら、できる生徒には集中するということですか?」


「……うちはね、それが必要なの。指導方針や伝統もあるじゃない」