少し離れた場所。 校舎の影。 そこに立つ人影があった。 黒瀬琉生。 偶然通りかかっただけ。 そのはずだった。 けれど。 視線は自然と愛葉へ向いている。 蒼依と話す愛葉。 少し不安そうな横顔。 その姿を見ていると。 胸の奥が妙にざわついた。 「……面倒だな」 小さく呟く。 それは前にも感じた感覚。 だけど。 以前よりもずっと強くなっていた。 そしてその頃。 愛葉のスマホには新しい通知が届いていた。 『今どこ?』 送信者は――凛月だった。