少し離れた場所。 ソファに座る琉生は無言だった。 だが。 会話は聞こえている。 蒼依の言葉も。 海里のため息も。 全部。 「琉生」 不意に蒼依が呼ぶ。 視線が向く。 「お前はどう思います」 静かな問い。 琉生は少しだけ考えた。 そして。 「……知らねぇ」 短く返す。 だが。 その拳はわずかに握られていた。