保健室の前から動けない。 海里の言葉が頭の中で繰り返される。 ——苦しそうだぞ。 その時。 保健室の中で椅子が動く音がした。 「関係ねぇ」 低い声。 凛月だった。 「俺が守る」 その言葉を聞いた瞬間。 愛葉の胸の奥がざわつく。 今まで感じたことのない感覚。 不安なのか。 恐怖なのか。 それとも——。 愛葉自身にもまだ分からなかった。 しかし。 確実に何かが変わり始めていた。