琉生はしばらく黙っていた。
窓の外を見る。
夕焼け。
その景色の向こうには。
きっと愛葉がいる。
そして。
ゆっくり口を開いた。
「……知らねぇ」
そう答える。
けれど。
その声は少しだけ低かった。
蒼依は目を細める。
「そうですか」
短く返す。
その時。
倉庫の扉が勢いよく開いた。
入ってきたのは凛月だった。
「愛葉迎え行ってくる」
誰も何も聞いていない。
それだけ言って出て行く。
残された幹部たちは顔を見合わせた。
そして。
琉生だけが静かに拳を握っていた。
理由はまだ。
自分でも分からなかった。



