檻の中の恋と、奪いに来た君  〜閉じ込める愛か、奪い出す愛か〜


その日の夜。

星龍の倉庫。

「総長」

海里が声をかける。

「ん?」

「少し落ち着け」

凛月の眉がぴくりと動いた。

「何の話だ」

海里は缶コーヒーを開ける。

「愛葉ちゃん、友達と話しただけだろ」

その瞬間。

空気が変わった。

凛月の表情から笑みが消える。

「……だから何だ」

低い声。

海里は何も言わない。

少し離れた場所で聞いていた蒼依が静かに目を伏せた。

そして。

誰にも聞こえない声で呟く。

「もう止まらないな」

何かが少しずつ。

確実に変わり始めていた。