檻の中の恋と、奪いに来た君  〜閉じ込める愛か、奪い出す愛か〜



帰り際。

琉生は一人で歩いていた。

夕日が長い影を作る。

ふと。

昼間の光景を思い出す。

ふらつく愛葉。

小さな体。

困ったような笑顔。

「……」

足が止まる。

自分でも理由が分からない。

ただ。

気付いてしまった。

最近。

視線が追っていることに。

遠くで聞こえる。

愛葉の笑い声。

その先には凛月がいる。

琉生は目を伏せた。

そして小さく呟く。

「……面倒だな」

その言葉の意味を。

まだ誰も知らなかった。