檻の中の恋と、奪いに来た君  〜閉じ込める愛か、奪い出す愛か〜

恐る恐る顔を上げる。

凛月が固まっていた。

「……え」

愛葉が戸惑う。

すると。

凛月は片手で顔を覆った。

「やばい」

小さく呟く。

「何が?」

聞くと。

凛月は少しだけ笑った。

その笑顔は。

今まで見た中で一番嬉しそうだった。

「もう一回」

「やだ」

即答する。

すると。

凛月は繋いだ手をぎゅっと握った。

「絶対また呼べよ」

その言葉に頷く愛葉の少し後ろで。

東雲蒼依が静かにその様子を見ていた。

幸せそうな二人。

けれど。

蒼依の表情だけは晴れない。

「……だから危ないんですよ」

誰にも聞こえない声が。

夕暮れの中へ消えていった。