騎士団長様、クビだけは勘弁してくださいっ!


 あらかた終わったのか、戻ってきていた先輩方がちらほらいた。その中には団長の姿もある。

 けれど、デカルド団長は私を見つけるなりすぐにこちらにやってきて。


「マーフィス、戻ったらすぐ執務室に来るように」

「えっ?」

「話がある」

「……分かりました」


 話、か。

 もしかして、近衛騎士団長との事で何かバレた……? それは、やばい。デガルド団長の耳に入ったら最悪殺される? クビ確定では?

 いやいやいやクビだけはダメだって!! ど、どうしよう……!


「お前、何かやったか」

「……お、覚えは、ないんですけど……殺されます?」


 心配しているのか先輩にそう聞かれたけれど、私の顔はひきつり、冷や汗なんて全く止まらない。

 どうしよう、今からもう覚悟を決めておいた方がいいのだろうか。いや、諦めるのはまだ早い?


「お前のことは一生忘れない」

「親父さんにはテレシアは立派に騎士をやってたって言ってやるから安心しろ」


 ……うちの先輩達は、後輩を助けるなんて言葉は全くないという事か。安心なんて出来るわけがないでしょ。

 一体何を言われてしまうのか。そんな不安と恐怖に押し潰されつつも、任務終了との事で城に戻った。


 鉛のような身体に鞭打って鬼団長の執務室に向かった。ノックをして、デカルド団長の声が聞こえてくる。私には、この奥に潜む鬼の声にしか聞こえない。今から生贄になるような、そんな気分だ。

 冷や汗が止まらない中、執務室に入り団長の座る席の前まで静かに進み足を止めた。


「いきなりで悪いんだが……マーフィスには狩猟大会の警備から抜けてもらう事になった」

「……えっ」


 もうすでに決まっていた狩猟大会の警備から、目前に控えたこのタイミングで抜ける。その原因って、まさか……