騎士団長様、クビだけは勘弁してくださいっ!


 今までは、鍛錬に遅れるからと置いていき、更には仕事だからと置いてかれての二択だった。だから、こうして明るい時間に一緒にベッドにいるとなると……恥ずかしさでどうにかなりそうだ。目のやり場に困る……


「……リアム」

「うん、ありがとうテレシア」


 ……頭がおかしくなりそう。使節団の方々は早朝お帰りとなるのに……早朝……あっ!?

 一気に青ざめ、勢いよく上半身を起こした。やばいやばい遅れるっ! 最後のお帰りの時は並んでなきゃいけないのにっ!! 今何時!?

 時計を見て、血の気が引いた。待って、お帰りになるのって……というところで、腕が引っ張られベッドに倒された。そして、上に団長様が上に乗ってくる。いやいやいや、今それどころじゃないって!!


「テレシアは今日はお休みだ。だから遅刻ではないよ」

「……へ?」


 い、今、何と……?

 私が、今日、休み……?


「だから、この前のように慌ててここを出る必要はないよ」

「……」


 この前、とは……いつぞやの、事件の事では……? ちょうどここで起きた、事件。朝、隣に誰かさんが寝ていて、私はその方を放置して鍛錬場に向かった、あの時の事。

 ……その話は、出さないでほしい。


「私はこの後出るが、テレシアは今日はゆっくり休んでくれ」

「……」

「返事は?」

「……はい」

「うん、いい子だ」


 そう言いつつ微笑みながら頭を撫でてくる。本当に、休んでいいのだろうか……?

 でも相手はこの騎士団を管理する方。となれば、デガルド団長にも伝えてくれるという事で、いい……?

 ……何となく、申し訳ないな。でも、この方を前に断るなんてことが出来るわけがない。それに、昨日の今日だから私が出ていったところでいろいろと混乱を招く可能性がある。第三王女と色々あったし……となれば、私は外に出ないほうがいいという事だろうか?

 もしそうなら、私はここで待機しておいた方がいい。もうお帰りになるだけなのだから、問題なく終わってほしい。