「お淑やかじゃない……ドレスも宝石も、そんなもの嫌いよ! 可愛げがない? 美人じゃない? そんなの自分が一番よく知ってる!」
「……」
「女の子だから? ふざけんなっ! 自分の人生を自分で決めて何が悪いのよっ!」
何故だろう。
こんなにも、強い感情を私の前で放つ彼女を羨ましいと思ったのは。
自分の感情を……悲しみを、怒りを、こうも強く出せることを、羨ましく思った。
近衛騎士団の騎士団長という道を、生まれる前から親によって用意され、その為に捨てたものはいくつもあった。
感情だってそうだ。
だが……この、彼女を羨ましく思うこの感情は、なんだろう。
そして、無性に彼女を欲しくなった。
欲しい。
欲しい。
私のものにしたい。
(何だ、これは……)
気がつけば、無意識に部屋を聞き出し抱き上げ向かっていた。
自分がなにをやってるのか、いまいち理解が出来なかった。普段ならこんな事、絶対にやらないと分かっていても、こんな行動を取ってしまった。
同情? 彼女は女性だからこんなところに放置したら何があるか分からないから?
……それは違うな。
幸い、深夜だからと周りに人はおらず、女子寮にも出歩く奴はいなかった。
部屋の番号を聞き出し、鍵を出させて部屋に入った。そして彼女をベッドに倒し、押さえつけていた。彼女の顎を掴み、顔を近づけ視線を目にぶつける。
「それを言ったのは誰だ」
「……何よ」
「私が貰ってやろうかと言っているんだ」
彼女は、頬をふくらませながら私を睨んでくる。そんな彼女のこの感情を肌で感じ、私の中で〝何か〟が込み上がってくる。
「やれるもんならやってみろ」
「はっ……いいだろう」



