「綾っ……!」
「綾!!」
陽子たちの駆け寄る足音が聞こえ、俺は綾からゆっくり離れた。
「よかった……よかった!」
「お前な! 心配かけんなやっ!」
陽子も和也も目に涙を浮かべている。ここにいる全員が、綾が目を覚ますのを待っていた。
「先生呼ばないと」
俺はナースコールを押し、綾が目を覚ましたことを伝える。
「綾……気分は? 悪くなか?」
綾を見つめると、戸惑った表情を見せた。
「……綾?」
綾は俺たちの顔を交互に見つめる。みんな、綾の言葉を待った。
「……綾……しゃべれるかや?」
……まだ意識がハッキリしちょらんのか?
綾は戸惑いながら、俺を見つめる。その瞳には、不安や困惑が現れていた。
……綾?
言いようのない不安が、体中に押し寄せてくる。
……しゃべれるじゃろ? しゃべれんのか……?
綾の口が、惑うようにゆっくり開いた。



