確認するような眼差しに瞳子が軽くうなずくと、イチは話を継ぐ。
「つまり、その御力は“陽ノ元”に存在する生命に対しての作用。
しかしこの“赤宝珠”に関していえば───“陽ノ元”に存在しない生命を創造することが可能なのです」
障子を透かした朝日を受け、輝く紅い玉。
それは、まったく新しい───未知の生命体を誕生させる、ということか。
イチの話を受けて、双真が合点がいったというように、瞳子の隣でうなずいた。
「なるほど。“花嫁”が異界から“召喚”されるのは、そういった意図もあるのか」
瞳子は双真の言葉に同意をしながらも、ふと疑問に思ったことを口にする。
「ちなみに、どうやってこの玉から『生み出す』っていうの? それって、イメージ───思い浮かべるってこと?」
「そのようです。
私もうろ覚えなので、あとでその文献は取り寄せておきますが……確か、“赤宝珠”に“神力”を注ぎながら対象の生命を心に思い描くとなっていたはずです。
それが、植物であれば新芽となり、動物であれば幼獣、昆虫であれば幼虫といった具合に」
「……ひょっとして、具体的に思い浮かべられなくて、その対象のことよく知らなかったりしたら、なんか別のモノになっちゃう可能性も……ある?」
「つまり、その御力は“陽ノ元”に存在する生命に対しての作用。
しかしこの“赤宝珠”に関していえば───“陽ノ元”に存在しない生命を創造することが可能なのです」
障子を透かした朝日を受け、輝く紅い玉。
それは、まったく新しい───未知の生命体を誕生させる、ということか。
イチの話を受けて、双真が合点がいったというように、瞳子の隣でうなずいた。
「なるほど。“花嫁”が異界から“召喚”されるのは、そういった意図もあるのか」
瞳子は双真の言葉に同意をしながらも、ふと疑問に思ったことを口にする。
「ちなみに、どうやってこの玉から『生み出す』っていうの? それって、イメージ───思い浮かべるってこと?」
「そのようです。
私もうろ覚えなので、あとでその文献は取り寄せておきますが……確か、“赤宝珠”に“神力”を注ぎながら対象の生命を心に思い描くとなっていたはずです。
それが、植物であれば新芽となり、動物であれば幼獣、昆虫であれば幼虫といった具合に」
「……ひょっとして、具体的に思い浮かべられなくて、その対象のことよく知らなかったりしたら、なんか別のモノになっちゃう可能性も……ある?」


