夢うつつの自分と違い、やけにはっきりとした口調で話す瞳子の肢体を、ゆうべのなごりのままに抱き寄せた。
すると、無情にも束縛した己の手をバシバシと勢いよく叩かれる。
「ちょっと! 寝ぼけてないで、起きてってば!」
「ああ、起きてるぞ……だから、もう少しこのままで」
「双真っ」
さすがに怒気がこもった呼びかけを無視できず、仕方なしに目を開ける。本気の怒り顔の瞳子は、やっぱり可愛い。
「はは、朝から瞳子は可愛いな……」
意識が完全に覚醒していれば、相手を怒らせる文言だと思って、口にはしないのに。
やはり、その眉がさらにつり上がった。
「いいかげんにしないと、嫌いになるわよ?」
一気に目の覚める単語が愛しの“花嫁”から出てきて、冴えた頭で問い返す。
「──どうした? 何か、問題が?」
「……コレ、見て」
あきれたような眼差しと共に、軽くにぎられた小さな拳のなかの物を、見せられた。
紅く輝く、丸い玉。赤珊瑚のようなそれは、三粒ほど。
「……宝玉?」
「みたいよね? こんなの、ゆうべはなかったし、第一コレ」
瞳子は困惑した顔つきで、じっと双真を見つめてくる。
「私の手の中に、あったの」
すると、無情にも束縛した己の手をバシバシと勢いよく叩かれる。
「ちょっと! 寝ぼけてないで、起きてってば!」
「ああ、起きてるぞ……だから、もう少しこのままで」
「双真っ」
さすがに怒気がこもった呼びかけを無視できず、仕方なしに目を開ける。本気の怒り顔の瞳子は、やっぱり可愛い。
「はは、朝から瞳子は可愛いな……」
意識が完全に覚醒していれば、相手を怒らせる文言だと思って、口にはしないのに。
やはり、その眉がさらにつり上がった。
「いいかげんにしないと、嫌いになるわよ?」
一気に目の覚める単語が愛しの“花嫁”から出てきて、冴えた頭で問い返す。
「──どうした? 何か、問題が?」
「……コレ、見て」
あきれたような眼差しと共に、軽くにぎられた小さな拳のなかの物を、見せられた。
紅く輝く、丸い玉。赤珊瑚のようなそれは、三粒ほど。
「……宝玉?」
「みたいよね? こんなの、ゆうべはなかったし、第一コレ」
瞳子は困惑した顔つきで、じっと双真を見つめてくる。
「私の手の中に、あったの」


