ソファーの前にはテーブルがあって、その上にはテレビまである。
これ、ほんとうに車のなか、なのかな!?
好奇心が刺激されて、わたしはあちこちを見ながら、塁くんに誘導されるようにソファーに座った。
「このちゃんが楽しそうでよかった。今日のかっこう、かわいいね」
ふかふかのソファーに、テーブルに、テレビに夢中になっていたわたしは、にょきっと目の前にあらわれた塁くんの顔にびっくりする。
「わっ。あ、ありがとう……!」
ふにゃりと笑う塁くんは、ベージュのだぼっとしたトップスに、スリムな白いパンツを着ていた。
塁くんも塁くんでおしゃれというか、すごく雰囲気に似合ったかっこうをしてるなぁ……。
「塁くんもかっこいいね」
「ほんとう? うれしい」



