ドキッと、胸がはねる。
すぐ近くで合った目は、氷もすぐに溶けそうなほど熱くて、心からの言葉なんだってわかった。
これは、のろいをとくための言葉。
でも、遊馬くんの心の声。
軽く受け止めるには、気持ちがこもりすぎていて……ドキドキと、胸がとまどっていた。
映画館を出たあとは、公園で持ってきたお弁当を食べた。
それから、ショッピングモールでウィンドウショッピングをして、1時間ほど経ったあとにカラオケへ行くことに。
「好羽は歌うの好き?」
「うん、好きだよ。でも、あんまり上手じゃないかも」
「あははっ、いいんだよ♪ 楽しければそれでね」
遊馬くんはウインクをして、テーブルの上に置いてあった機械を取る。
遊馬くんが入れた曲は、映画【今日、恋が始まったら】の主題歌だった。
わたしは一気にテンションが上がって、マイクを持つ遊馬くんをわくわくとながめる。



