遊馬くんはウインクをして、わたしに手を差し出した。
これは……手をつなごう、っていうこと……!?
どぎまぎしながら手をかさねると、遊馬くんはわたしの手をにぎってくいっと引っぱる。
それにつられるように、わたしは遊馬くんといっしょに歩き出した。
「俺の仔猫ちゃんに楽しんでもらえるように、いろいろ考えてきたんだけど……まずはやっぱり映画かなって♪」
「なんの映画を観るの?」
「それがね、なんと……【今日、恋が始まったら】!」
「わぁ! 今日恋!? わたし観てみたかったんだ~!」
「ほんと? よかった♪」
今日恋はもともと少女マンガのお話なんだけど、最近映画化したんだよね。
のろいにかかる前に読んでて、大好きなマンガだったから、実は気になってたんだ。
そんなわけで、駅前の映画館につくと、わたしたちはうきうきでチケットを買った。



