「俺がさきにつくと思ってたんだけどな~。はやく来てくれたんだね、ありがとう♪」
「う、ううん……! 遊馬くん、そのかっこう……」
「あ、これはちょっとした変装♪ これでも俺、そこそこ有名人だから」
テレビでも見るくらいだもん、そこそこなんてものじゃないよ……!
遊馬くんはにこりと笑うと、一歩わたしに近づいて、腰をかがめるようにわたしの顔をのぞきこんだ。
「俺の仔猫ちゃんはかわいいかっこしてるね? おしゃれして来てくれたならうれしいな♪」
「わっ、わたし、こういうの慣れてなくて……! ヘンだったらごめんねっ」
「ヘンじゃないよ♪ でも、もしかしてデートするの、俺がはじめて?」
「で、デート!?」
これってデートなの……!?
「わ~、うれしいな♪ じゃあ、せいいっぱい楽しませてあげないとね。行こっか♪」



